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制作事例

【展示会で反響】捨てられない名刺の作り方。デザイナーの「すき」を詰め込んだ名刺の仕掛け

名刺交換の場が、単なる「あいさつ」で終わっていませんか!

特に展示会などのイベントでは、一日に数百枚の名刺が飛び交います。
その中で、あとで見返した時に「あ〜……あの時の!」と思い出してもらい、さらに「デスクに置いておこう」「ちょっと持っておこうかな」と思わせるには、少しの工夫と、「使う人への体験」を乗せることで、ぐっと身近なものに。
今回は、自社用に制作し、展示会で反響をいただいた、企画担当がデザインした一例をご紹介します。少しマニアックですが……どなたかのヒントになれば嬉しいです。

Design category
グラフィックデザイン
Scope of Work
デザイン制作・印刷
参考(名刺詳細ページ)
https://koushin-art.com/bellows-fold/
オリジナルじゃばら名刺(社員の一例)

1. 「だれに」刺すかを考える。ニッチな情報の価値

今回の名刺、おもて面は会社概要と担当者情報のスタンダードな構成ですが、なか面にはちょっとした「仕掛け」を施しました。
それは、「デザイナーが"気になっちゃう"フォントサイズ見本+カラーチャート」です。
正直に言うと、一般の方には少しマニアックすぎて、スルーされて(もしくは若干の引き)しまうかもしれません。でも、それでいいと思っています。
ターゲットは、デザインに携わる方や、クリエイティブな販促に興味がある方。

プライベートで恩師にお渡しした際に「こういうの、めっちゃ好き!」と太鼓判をいただいたこのコンテンツは、特定のターゲットにとっては「手元においておきたい、たまに見たくなる資料」として、長く寄り添えるものになれば嬉しいなと考えています。
「万人に好かれるより、一人の担当者に深く刺さる」。これが、お問い合わせへの第一歩につながります。

2. 「機能」と「記憶」を切り離す、ミシン目のギミック

蛇腹折りで4面(計8面)という大容量。情報量は魅力ですが、そのままでは名刺入れの中で少し「お邪魔」になってしまうこともありますよね。
おそらく「導入しようかな……」とお悩みいただいた方の中にもそういった懸念から尻込みされた方もいらっしゃったのではないでしょうか?
そこで、氏名の横には「ミシン目(切り取り線)」を入れました。

担当者情報(おもて面): 切り取って名刺管理アプリやファイルへ。
デザイン面(なか面): そのまま引き出しに入れたり、メモ帳に挟んだり、PCの横に。

受け取った方の負担を減らしつつ、私たちの提供する「便利ツール」はしっかり手元に残してもらう。
こうした「相手のその後の行動(UX)」を想像した設計が、ツールとしての寿命を延ばし、お役に立てる機会を増やしてくれるかもしれません。

オリジナルじゃばら名刺(社員の一例)オリジナルじゃばら名刺(社員の一例)千切ってる写真

3. 切り離されても「誰だったか」を忘れない、うら面のブランド戦略

「氏名部分を切り離されたら、誰がくれたか分からなくなるのでは?」
その点も考慮して、デザインの配置を工夫してみました。

たとえデザイン面が独立して使われることになっても、そのうら面には弊社のロゴと会社情報がしっかりと配置されています。

フォントサイズを確認する。色味をチェックする。そんな日常のふとした瞬間に、弊社のロゴが目に入る。
この「チラ見え」の積み重ねが、いざという時に「あそこに聞いてみようかな」と思い出していただくきっかけになればと思っています。

【ちょっと小ネタ】なぜ「なんとなく見る」が重要なのか?
突然ですが、テレビCMって「その広告費を商品の値引きに使った方がいいのでは?」なんて思ったこと、ありませんか?
実は、人が「よし、買おう!」と決断する(購買意思決定)ハードルって、想像する以上に高いんです。
だからこそ、その手前にある「認知」や「検討」のプロセスで、いかにブランドを思い出してもらうかが勝負になります。
専門用語では「ザイオンス効果(単純接触効果)」と言いますが、接触回数が増えるほど、その対象に親近感や信頼を抱きやすくなるんです。
ここで考えてみてください。
普段、しまい込んだ「名刺ファイル」と、手元にある「手軽な資料」、どちらが目に入る機会が多いでしょうか?
答えは明白ですよね。その資料が実用的であればあるほど、使う機会が増え、私たちの社名に触れていただけるチャンスも増える。
目には見えない、この「記憶の積み重ね」こそが、いざという時の「あそこに相談してみよう」に繋がるんです。

裏面
切り取ったあと 裏面

4. これをつくろうと思ったのは

この名刺デザインは、企画担当(この記事編集)が楽しんで作成しました。(実は、自分自身が一番欲しかったんです…!)
自分たちがワクワクして作ったものは、手渡す時の熱量も変わります。展示会でも、自信を持ってお渡しできたことが、好評価に繋がったのだと感じています。
マニュアル通りの言葉よりも、作り手の温度感が少しでも伝わるものをお届けしたいと思っています。

あなたの「こだわり」も、形にしてみませんか?
名刺は、ただの連絡先交換ツールではありません。
「私たちは、ここまでこだわって物作りをしています」という、一番身近なプレゼン資料です。

「自社の強みを、どうやって名刺に凝縮すればいい?」「ちょっと変わった加工に挑戦してみたい」
そんな時は、ぜひ私たちに声をかけてくださいね。

あなたの「好き」や「こだわり」を、相手の心に届く形にするお手伝い、喜んで、楽しんでお作りします!
※今回の蛇腹名刺の実物を見てみたい!という方も、お気軽にお問い合わせください。

最後に、ちょっとだけ真面目な……企画担当が一番大切にしている「心理学」のお話をさせてください。
みなさんは「正常性バイアス」という言葉を聞いたことがありますか?
災害時に「自分だけは大丈夫」と思い込んで逃げ遅れてしまうことを含む心理現象のことですが、これって「自然災害=非日常すぎて、脳がどう判断していいか分からずフリーズ(パニックを起こ)している状態」でもあるんです。
それを防ぐ唯一の方法は、日頃からの避難訓練やシミュレーション。
「スムーズに避難できるようにする」ためのものだと思っていませんか?……それだけではない、と私は考えています。
シミュレーションを繰り返すことで「地震はいつでも起きるもの」というイメージを脳に刷り込み、非日常を日常の延長線上に引きずり込み、いざという時に体が動くようになります。 実は、ビジネスにおける「ブランド」も、これにそっくりなんです。
全く知らない会社に仕事を頼むのは、脳にとって「未知のリスク」を伴う非日常のイベントですよね。ちょっと尻込みするし、明日にしようかな〜、別の会社のほうがいいかな〜なんて考えてしまったり……。それを払拭したい。だからこそ、この名刺を通じて、デスクの「いつもの景色」になりたいと考えました。
「どうしよう」という困ったことが起きたとき。
迷わず、いつもの道具を手に取るようにコウシンアートを思い出してほしい。
この蛇腹名刺も、皆様にとっての「日常」の一部に溶け込むための、小さな工夫です。

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